サモエド人気が急上昇?有名人が飼うと犬種人気が動く理由

サモエド人気が急上昇?有名人が飼うと犬種人気が動く理由

真っ白でふわふわの被毛と、いつも笑っているように見える「サモエドスマイル」。

そんなサモエドに、いまアメリカで新しい注目が集まっています。

きっかけのひとつとして話題になっているのが、Taylor SwiftとTravis Kelceがサモエドの子犬と一緒にいる姿を報じられたことです。

The Wall Street Journalによると、その子犬が報道された週、American Kennel Club(AKC)のサイトではサモエドに関する検索が15%増加しました。

15%という数字だけで「サモエドブームが始まった」と判断するのはまだ早いですが、有名人の愛犬が犬種への関心を一気に高める現象は、これが初めてではありません。

犬種にも「流行」がある。

今回は、その背景を見てみます。


サモエドはもともとどのくらい人気?

AKCによると、サモエドは2025年のアメリカの犬種人気ランキングで55位前後に位置しています。AKCの犬種ページでは55位とされており、トップクラスの人気犬種というわけではありません。

ちなみにアメリカの2025年人気上位は、

  1. フレンチブルドッグ

  2. ラブラドールレトリーバー

  3. ゴールデンレトリーバー

  4. ジャーマンシェパード

  5. ダックスフンド

などです。

サモエドは「誰もが飼っている犬」ではありませんが、その特徴的な外見から知名度は高く、SNSでも非常に映える犬種です。

そこに世界的な有名人の影響が加われば、一気に検索や問い合わせが増えることは不思議ではありません。

 

有名人が飼うと、犬種が人気になる

AKCは過去にも、有名人や映画をきっかけに特定犬種への関心が高まった例を紹介しています。

たとえば、

  • 『101匹わんちゃん』とダルメシアン

  • 『Marley & Me』とレトリーバー

  • Lady Gagaをはじめとする著名人とフレンチブルドッグ

  • 映画『リメンバー・ミー(Coco)』とショロイツクインツレ

  • オバマ元大統領一家とポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ

などです。

特にポーチュギーズ・ウォーター・ドッグは、オバマ一家が「Bo」を迎えた2009年前後から知名度が上がり、AKCの人気ランキングでも順位を伸ばしました。

人は、身近な人だけでなく、映画やSNS、有名人を通じて犬種を知ります。

「この犬かわいい」

「こんな犬がいるんだ」

という最初のきっかけとして、メディアの影響力はかなり大きいのです。

 

サモエドが人気になりやすい理由

サモエドは、見た目だけでも強いインパクトがあります。

真っ白なダブルコート。

ふわふわした大きな体。

口角が上がって見える「サモエドスマイル」。

写真や動画では非常に魅力的に見える犬種です。

AKCでは、サモエドについて、家族との結びつきが強く、人との交流を好む社交的な犬種と紹介しています。一方で、活動量が多く、精神的な刺激も必要で、長時間ひとりにされることを得意としないとも説明しています。

つまり「かわいい」だけでは分からない部分がかなりあります。

 

ふわふわの被毛は、かなり手がかかる

サモエドを象徴する白い被毛は、美しい一方で管理も必要です。

サモエドは寒冷地で働いてきた犬種で、厚いダブルコートを持っています。

AKCでは、抜け毛が多く、日常的なブラッシングが必要で、年に2回程度さらに大量に換毛する時期があると説明しています。

WSJが取材したブリーダーも、サモエドを迎えるならグルーミングに必要な時間と費用を理解することが重要だと話しています。

写真で見る「ふわふわ」は、何もしなくても維持されるわけではありません。

 

もともとはシベリアの働く犬

サモエドの背景を知ると、この犬種の性格や必要な活動量も理解しやすくなります。

サモエドはシベリアで暮らしていたサモエド系民族とともに発展してきた古い作業犬です。

トナカイの群れを管理したり、そりを引いたり、狩りや警護をしたり、人間と非常に近い距離で暮らしてきました。

そのため、単に「白くて大きな愛玩犬」ではありません。

人と一緒に活動することを好み、身体も頭も使う犬です。

この背景まで知ると、

「見た目が好きだから飼いたい」

から、

「この犬とどんな生活をすることになるのか」

という視点に変わってきます。

 

犬種ブームで起きやすい問題

人気そのものが悪いわけではありません。

これまで知られていなかった犬種に興味を持ち、その歴史や特徴を知る入口になります。

一方で、短期間に需要が急増すると、犬の福祉とは別の問題が起きることがあります。

Royal Kennel Clubは、犬を迎える前の調査が十分でないまま、利便性や勢いで子犬を購入することが、悪質な繁殖業者からの購入につながるリスクを指摘しています。

つまり問題は、

流行している犬を好きになること

ではありません。

流行だけを理由に、その犬種を理解せずに迎えること

です。

 

「憧れの犬」と「自分に合う犬」は同じとは限らない

SNSで見たサモエドはかわいい。

有名人と一緒に歩いている姿も魅力的。

それが犬種を知るきっかけになるのは、とても自然なことです。

でも犬との生活は、写真の外側にあります。

毎日の散歩。

抜け毛。

グルーミング。

トレーニング。

留守番。

運動量。

家の広さ。

暑い季節への対応。

10年以上続く生活です。

AKCも、サモエドは特に活動的な家庭や、日常の中に犬をしっかり参加させられる家庭に向いている犬種としています。

犬種を選ぶときに大切なのは、

「人気かどうか」

より、

自分の生活と、その犬が必要とする暮らしが合っているか

なのだと思います。

 

犬種の流行は、悪いことではない

有名人の愛犬からサモエドを知る。

映画からダルメシアンを知る。

SNSから見たことのない犬種を知る。

それ自体は、犬の世界を広げてくれる面白い現象です。

ただ、その次に、

なぜこの犬はこの姿になったのか。

どんな仕事をしてきたのか。

どのくらい運動するのか。

どんな手入れが必要なのか。

そこまで知って初めて、「その犬と暮らす」という選択に近づきます。

犬種にも流行があります。

でも犬は、流行が終わったあとも一緒に暮らす存在です。

Brott JOURNALでは、世界で話題になっている犬を追いかけるだけでなく、その犬種がどんな背景を持ち、どんな暮らしを必要としているのかまで紹介していきます。

 

参考文献・出典

The Wall Street Journal
“Can Taylor Swift Turn the Samoyed Into the Next Frenchie?”
2026年8月18日.

American Kennel Club
“Samoyed Dog Breed Information”

American Kennel Club
“Is the Samoyed a Good Fit for You?”

Royal Kennel Club
“One in three pups gets sick or dies in first year as convenience culture ‘cancer’ is exposed in new research”

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